こんにちは。
リーノです。
今日は、反省も込めて最近担当した患者さんについてまとめてみます。
1ヶ月ほど前から担当している患者さん。
デスクワークをしていると、肘から前腕にかけて痛みが出るとのことでした。
評価では、
- 中指伸展テスト陽性
- 痛みの部位は短橈側手根伸筋(ECRB)周辺
- トムセンテスト陰性
- 外側上顆の圧痛はごく軽度
痛くなったきっかけとしては、仕事でパソコン作業が増えたことと、キーボードの角度がきつく、手関節背屈位で作業する時間が増えていたことでした。
中指伸展テストでの痛みも軽度だったため、
「軽い外側上顆炎(テニス肘)かな」
と考え、作業環境の調整と前腕伸筋群の柔軟性改善を中心に介入していました。
ところが…
2回目
症状はあまり変わらず。
3回目
むしろ痛みの範囲が広がっていました。
最初は前腕外側だけだった痛みが、上腕外側にも広がり、前腕の痛みもより遠位まで広がっていました。
上腕の痛みは、腕橈骨筋の起始部周辺。
それにもかかわらず、
- トムセンテストは陰性のまま
- 中指伸展テストも軽度の痛みのみ
仕事量も特に増えていないとのこと。
「何かおかしいな…」
という印象でした。
さらに話を聞くと、肩が張る感じもあるとのこと。
肩甲挙筋や僧帽筋の緊張が強かったため、頸部も含めて評価を進めることにしました。
頸部も評価してみると…
頸椎の動きを確認すると、
頸部伸展と同側側屈で上腕への放散痛を認めました。
さらに、
Edenテスト、Wrightテストでも上腕(少し前腕まで)への放散症状が再現。
また、頸部伸展時の放散痛は、第一肋骨を下方へ誘導するように押さえることで軽減しました。
これらの所見から、
頸椎由来の症状や胸郭出口症候群(TOS)が合併している可能性
を考えるようになりました。
もちろん、外側上顆炎がまったくないとは言い切れません。
しかし、局所だけを診ていると説明できない症状が増えてきたことで、視点を広げる必要性を改めて感じました。
エルボーバンドでも気になる反応が…
もう一つ興味深かったことがあります。
この方は医師からエルボーバンドを処方されていました。
一般的には外側上顆炎の負担を軽減する目的で使用されますが、この方は**「痛みが強くなる」というより、軽く巻いているだけでも締め付けがとてもきつく感じる**とのことでした。
もちろん、この反応だけで原因を断定することはできません。
ただ、頸椎や胸郭出口症候群(TOS)の影響によって神経や周囲組織の感受性が高くなっている場合には、本来なら気にならない程度の圧迫刺激でも「きつい」「痛い」と感じやすくなる可能性があります。
局所だけを見ると説明しにくい反応でしたが、頸部や神経の状態まで含めて考えることで、一つの仮説としてつながるように感じました。
今回の反省
今回一番反省したのは、
最初の評価で頸部まで確認しておくべきだった
ということです。
痛みの場所や誘発テストだけで「テニス肘だろう」と考えてしまい、少し視野が狭くなっていました。
改めて、
- 局所だけでは説明できない所見はないか
- 頸椎や神経症状を見落としていないか
- 痛みの背景に別の要因が隠れていないか
を最初から評価することの大切さを学んだ症例でした。
まだ治療の途中なので、この仮説が正しいかどうかは今後の経過をみながら考えていきたいと思います。

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