圧迫骨折のMRIの見方とリハビリ

~PTが知っておきたいポイント~

こんにちは!
リーノです。

先日、圧迫骨折の患者さんを担当したことをきっかけに、MRIの見方や画像分類についてまとめてみました。

圧迫骨折とは?

圧迫骨折(骨粗鬆症性椎体骨折)は、高齢者に多くみられる骨折です。

「転倒して骨折した」というイメージがあるかもですが、

  • 重い荷物を持った
  • 身体をひねった
  • しりもちをついた
  • くしゃみをした
  • 特に思い当たるきっかけがない

このような軽い負荷でも骨折することがあります。

多くは保存療法で改善しますが、なかには痛みが長期間続いたり、椎体の圧潰が進行したり、偽関節や神経症状を生じるケースもあります。


好発部位は?

圧迫骨折で最も多いのは、

Th12~L1(胸腰椎移行部)

です。

これは、

  • 後弯している胸椎
  • 前弯している腰椎

というカーブの切り替わる場所であり、

さらに胸郭で固定されている胸椎と、可動性の高い腰椎の境界でもあるため、力学的ストレスが集中しやすいことが理由と考えられています。


MRIでは何を見る?

急性期の圧迫骨折では、

T1強調画像:低信号

T2・STIR画像:高信号(骨髄浮腫)

となります。

この**骨髄浮腫(Bone Marrow Edema)**があることで、「最近起こった骨折」である可能性が高くなります。

一方、陳旧性骨折では骨髄浮腫は消失していることが多く、急性骨折との鑑別に役立ちます。

また、MRIやCTで椎体内に**vacuum cleft(椎体内の空洞)**がみられる場合は、偽関節や不安定性を示唆する重要な所見とされています。


最近よく使われる「AO Spine OF分類」

以前は「楔状変形」「魚椎」「扁平椎」など形だけで分類されることが多かったようですが、現在ではAO Spine-DGOU Osteoporotic Fracture(OF)分類が広く用いられています。

この分類の特徴は、

「どれくらい潰れているか」ではなく、「どれくらい不安定なのか」

を評価する点です。

OF1

MRIでは骨髄浮腫を認めますが、X線ではほとんど変形がありません。

つまり、「骨折はしているけれど、まだ潰れていない状態」です。


OF2

もっとも多いタイプ。

椎体終板の一部が圧潰していますが、後壁の損傷はほとんどありません。

比較的安定しており、多くは保存療法の適応になります。


OF3

終板だけでなく、後壁が20%以上巻き込まれるタイプです。

ここから不安定性が高くなり、圧潰の進行や疼痛の遷延に注意が必要になります。


OF4

椎体全体が崩壊した状態です。

両方の終板が障害され、椎体の支持性が大きく低下しています。

後弯変形や偽関節へ進行するリスクが高くなります。


OF5

靱帯損傷や回旋・転位を伴う不安定骨折です。

保存療法では対応が難しく、手術が選択されることが多いタイプです。


PTとして一番気になるのは?

個人的に重要だと感じたのは、

「後壁が巻き込まれているかどうか」

です。

後壁損傷がある症例(OF3以上)では、

  • 不安定性
  • 圧潰の進行
  • 神経症状
  • 後弯変形

などのリスクが高くなるため、画像所見を確認したうえでリハビリの負荷量を考える必要があります。


リハビリで大切なこと

昔は長期間の安静が中心でしたが、現在は痛みに応じた早期離床・早期運動が推奨されています。

リハビリでは、

  • 歩行練習
  • バランス練習
  • 下肢筋力強化
  • 脊柱伸展筋群のトレーニング
  • ADL指導

などを行い、廃用や再骨折を予防していきます。

一方で、急性期には体幹を強く屈曲させる運動は椎体前方への負荷を増やす可能性があるため、慎重に進める必要があります。


まとめ

圧迫骨折は「骨が潰れた」というだけでなく、

  • MRIでは骨髄浮腫があるか
  • 後壁が巻き込まれているか
  • どのOF分類に当てはまるか

を確認することで、骨折の新しさや不安定性、予後をある程度予測できるようになります。

リハビリでも画像所見を理解しておくことで、安全性を考慮した介入につながると感じました。

まだまだ勉強中なので、「ここはこう考えた方がいいよ!」というご意見があれば、ぜひ教えていただけるとうれしいです!

参考文献

  1. 新鮮脊椎圧迫骨折のMRI分類と治療方針.
    https://www.jstage.jst.go.jp/article/nishiseisai1951/47/4/47_4_1115/_pdf/-char/ja
  2. 脊椎圧迫骨折のMRI所見
    ja
  3. AO Foundation / AO Spine. AO Spine–DGOU Osteoporotic Fracture (OF) Classification System.
    https://media.aofoundation.org/spine/-/media/project/aocd/aospine/documents/ao-spine-osteoporotic-classification-poster.pdf

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