こんにちは!
リーノです。
最近、強剛母趾(hallux rigidus)を合併している患者さんを担当しました。
今まであまり診る機会がなかったので、「そもそも強剛母趾ってどうやって起こるんだろう?」と疑問に思い、まとめてみました。
今回は、病態やメカニズムを中心に整理してみます。
強剛母趾とは?
強剛母趾とは、母趾MTP(中足趾節)関節の変形性関節症です。
特徴としては、
- 母趾の付け根が痛い
- 母趾を反らせると痛い
- 背屈可動域が徐々に減少する
- 関節背側に骨棘(骨のトゲ)が形成される
などがあります。
進行すると関節の動きがほとんどなくなり、歩行時の蹴り出しにも支障が出てきます。
原因は実はよく分かっていない
「原因はまだはっきり分かっていない」
ということです。
外傷や繰り返しの負荷、足の形態など様々な要因が挙げられていますが、「これが原因」と言えるものはありません。
そのため、病態を理解するには関節の運動学を考える必要があります。
第一中足骨の動きがポイント?
今回、一番納得できたのがここでした。
歩行で蹴り出すとき、母趾は約65〜75°背屈するとされています。
ただし、これは母趾だけが反っているわけではありません。
正常では、
- 第一中足骨がわずかに底屈し、
- 母趾が背屈することで、
第一MTP関節がスムーズに転がりながら動きます。
つまり、母趾の背屈と第一中足骨の底屈はセットで起こっています。
問題は「背屈しすぎ」ではない?
最初は、
「母趾を反らせすぎるから悪いのかな?」
と思っていました。
でも文献を読むと、少し違うようです。
もし第一中足骨が十分に底屈できず、相対的に背屈位(持ち上がった状態)のままだと、
同じ背屈角度でも、関節背側が早く衝突(インピンジメント)しやすくなります。
その結果、
- 背側軟骨への圧縮ストレス
- 軟骨損傷
- 骨棘形成
- 可動域制限
という悪循環が起こると考えられています。
つまり、
「母趾が反りすぎること」が問題ではなく、第一中足骨の位置や動きが適切でない状態で背屈することが問題なのではないか、と理解しました。
Windlass機構との関係
歩行終期では、母趾が背屈することで足底腱膜が巻き上げられ(Windlass機構)、足部が硬いレバーとなって効率よく蹴り出せます。
しかし強剛母趾では母趾の背屈が制限されるため、
- Windlass機構が働きにくい
- 推進力が低下する
- 外側荷重などの代償が起こる
といった歩行への影響も考えられます。
今回調べて感じたこと
今回文献を読んで感じたのは、
強剛母趾は「母趾が硬い病気」というより、
第一中足骨を含めた第一列全体の運動異常によって、MTP関節背側へストレスが集中した結果として起こる病態
という方が理解しやすいということでした。
もちろん、これは現在考えられている病態の一つであり、原因についてはまだ統一した見解はありません。
今後は、
- 第一列の可動性
- 荷重時と非荷重時での母趾背屈の違い
- Functional hallux limitusとの関連
なども勉強していきたいと思います。
もし強剛母趾について詳しい先生や、おすすめの文献をご存じの方がいれば、ぜひ教えていただけると嬉しいです!

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