今日の患者さん。
第5中足骨骨折と足関節捻挫を受傷された方です。
受傷から約2か月が経過していましたが、「足首が腫れぼったい感じがする」「足首が硬い」という症状が残っていました。また、歩行ではまだ跛行がみられ、スムーズに歩ける状態ではありませんでした。
受傷後はギプス固定と松葉杖を使用されていました。
このように外傷によって腫脹が生じたり、ギプス固定などで一定期間動かさない状態が続いたりすると、筋膜をはじめとする軟部組織の滑走性が低下し、硬さが残ることを臨床でもよく経験します。
今回の患者さんも、筋膜組織へのアプローチに対する反応が非常に良く、症状の改善にはその影響が大きかったように感じました。
もちろん、問題は筋膜だけではありません。筋力低下やバランス能力の低下も認められたため、それらに対する運動療法も並行して進めました。
特に印象的だったのは、初回評価では片脚立位がほとんどできなかったにもかかわらず、足関節周囲を中心に筋膜へアプローチした直後に片脚立位が可能になったことです。
筋力トレーニングを行ったわけではないにもかかわらず動作が改善したことから、筋膜組織やその周囲に存在するメカノレセプターの入力が変化し、運動制御にも良い影響を与えた可能性があるのではないかと感じました。
その後は患者さん自身もとても真面目に自主トレーニングへ取り組んでくださり、筋力やバランス能力は順調に改善。最終的にはジャンプや小走りも問題なく行えるようになりました。
一方で、途中経過では「もう大丈夫そう」と思い、少し負荷の高い作業を行った結果、無意識に反対側の脚でかばってしまい、健側を痛めてしまう場面もありました。
今回の症例を通して改めて感じたのは、「組織の状態を整えることで動きは大きく変わる」ということ、そして「痛みがなくなった=治った」ではないということです。
痛みが軽減していても、代償動作が残っていれば他の部位へストレスがかかり、新たな痛みにつながることがあります。
症状だけでなく、「本来の動きが取り戻せているか」「他の部位で代償していないか」まで評価しながらリハビリを進めることの大切さを、改めて学ばせていただいた症例でした。

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