今日の患者さん。
足底腱膜炎で踵の痛みがある方です。
痛みが出始めたのは約1年前。最初は様子を見ていたそうですが、徐々に悪化したため受診されました。
リハビリを開始して約3か月。少しずつ改善していたものの、一度歩きすぎたことで痛みが再燃した経緯があります。
僕は先週初めて担当し、今日で2回目の介入でした。
その際、患者さんからこんな言葉がありました。
「全然良くならないんです。何をしても痛い気がして…。」
ただ、詳しく話を聞いていくと、歩く量が増えたり、仕事で長時間立っていた日には痛みが強くなり、反対に歩く量が少ない日は痛みも軽いようでした。
つまり、「何をしても痛い」というよりも、「ある程度ストレスがかかったときに痛みが強くなる」という特徴がありました。
痛みが慢性化すると起こりやすいこと
慢性的な痛みを抱えている方では、
- 「この痛みはもう治らない」
- 「何をしても痛い」
という考え方になってしまうことがあります。
もちろん、痛みがあることは事実です。「気のせい」だと言いたいわけではありません。
ただ、痛みが長く続くことで、脳や神経系が痛みに敏感な状態(痛みを感じやすい状態)になっていることがあります。
例えば、本来なら「5」と感じる程度の刺激を、「8」や「9」の痛みとして受け取ってしまうようなイメージです。
大切なのは「痛みを客観視すること」
このような状態では、「痛い=何も良くなっていない」と考えるのではなく、痛みを少し細かく観察してみることが大切だと感じています。
例えば、
- 「今日はたくさん歩いたから痛みが強くなったのかもしれない。」
- 「30分立っていると痛みは3/10くらいだけど、1時間になると9/10まで強くなる。」
- 「仕事の日は痛いけど、休日はそこまで痛くない。」
このように痛みを客観的に整理していくことで、「どんな負荷が痛みのきっかけになっているのか」が見えやすくなります。
そうすると、そのストレスを一時的に調整しながら、痛みが強く出る時間を減らし、少しずつ身体が慣れる範囲で負荷を増やしていくことができます。
リハビリで大切なこと
もちろん、これは「負荷量の調整」という一つの側面です。
それと並行して、組織の硬さや筋力低下、神経の影響など、その方の痛みの原因となっている問題へアプローチしていくことも欠かせません。
慢性的な痛みは、一つの原因だけで起こっていることは少なく、身体の状態・生活習慣・負荷量など、さまざまな要素が関係しています。
だからこそ、「痛みだけ」を見るのではなく、「なぜその痛みが出ているのか」「どんな状況で強くなるのか」を患者さんと一緒に整理しながら、一歩ずつ改善を目指していくことがリハビリでは大切だと、改めて感じた症例でした。

コメント